不登校生が回復するまでの心理の過程

不登校の生徒と関わる時には「その子が今どのような心理状態でいるか」を把握することから始まります。不登校になってから回復するまでの過程はだいたい決まっており、支援者はその過程に相応しい関わり方をしてゆきます。その心理の過程の典型的な例をご紹介いたします。

うつ状態混乱状態→無気力状態→自責他責・怒り→自己との向き合い→恐怖感・抵抗感の克服→適応への努力→回復へ

自責他責状態から恐怖感抵抗感の克服の間は前後したり繰り返したりすることも多くあります。

心理過程の認識と関わり

その子の心理が今どの段階なのか、見極めるには家族や学校の先生ではない第三者が適切であると言われています。そしてその過程の段階ごとにアプローチの方法も変わってきます。例えば学校を休むまで完全に疲弊してしまっていた場合、医療にアクセスすることを提案することもあります。また無気力状態が少し回復するとゲームやネットに依存する場合が多いです。親としてそばで見ていると現実逃避だと感じて焦ることもあると思いますが、本人は自責の念に駆られて苦しんでいたり、不登校の原因となった人物に怒りを感じていたりしながらゲームやネットに集中していることも多いですので、制限することは得策だとはいえません。適応への努力を始めた頃には、本人が興味があること、得意なことを見つけて、選択肢を示してあげることが相応しい関わり方となります。また映画や美術鑑賞など外の世界との接点を作ってあげることも効果的なアプローチだと思います。回復の段階になるときには、親や支援者は復帰した時の環境をしっかりと整備することが大切です。せっかく心が回復しても不登校になった時と同じ環境に戻ると、また不適応を起こす可能性は高くなります。新しい環境で再出発して、できるだけ不適応を起こさないように支援を行うことが必要になります。また学校に戻ること、転校や入学、再入学がゴールではないこともしっかりと把握しておくことが大切です。心的外傷からの回復の中で語られる「易傷性」というものがあります。同じことが不登校でも言えると考えています。不登校前には耐えられたことが辛くて耐えられなくなる、気にもしていなかったことに敏感になって傷つく、ということがあります。注意をはらいながら支援してゆく必要があります。このように子どもの心理の変化に伴って、支援の方法、関わり方を調整しながら適切なものに変えてゆきます。

次回の記事で保護者の心理について書いてゆきます。

  • X