埼玉県の高校入試について

県立校の入試

埼玉県の県立高校の入試はいたってシンプルで、内申点プラス一斉入試テスト(1次、2次)の点数で合否が決定します。これは我々親世代の頃とほぼ同じなので誤解は生じにくいかと考えます。ただ後にも触れますが、以前は中学校で高校側との調整(基準になる内申点や模擬テストの偏差値のすり合わせ等)などをしてくれていましたが、今では学校説明会に親子で参加して高校側と直接面談します。塾に通っていない生徒向けの入試の攻略法として基本的には過去問を中心に学習を進めていきます。定期的に北辰テストを受験することで勉強のリズムを作ってゆくことをお勧めします。北辰テストは事前に出題範囲がわかっていますので、テスト日に向けて予習、受験後はしっかりと復習して苦手な部分、ミスする部分を補強するのがいいでしょう。

※スポーツ推薦等を設けている学校もありますので、希望の方は志望の学校説明会などでご相談ください。

私立校の入試

私立校の入試は県立とは違って少し複雑です。わかりやすく箇条書きにして説明します。

  • 学校説明会に参加することが入試の最初のステップとなります。その際、通知表と北辰テストの結果を持参します。説明会の後に個別面談があります。持参したものをもとに「次は数学を偏差値60以上になるように頑張ってください」とか「同じペースでもう一度北辰テストを受けて結果を持ってきてください」などのコメントがあります。(あくまで例です)
  • 再度、学校説明会に参加します。同じく通知表と北辰テストを持参して個別面談を行います。基準に達していると推薦をもらうことができます。推薦とは以前は確約といったもので、(ほぼ)合格の保証のようなものになります。推薦の基準は単願、併願、各コース別ごとに決められています。
  • 2回目の面談で志望コースの基準に達していない場合は、また同じように高校側から目安の提示を受けて3回目の面談に臨みます。
  • 基準に達しなかった場合はいわゆる一般入試の結果で合否が決まります。

以上が大まかな私立校入試の流れになります。難関レベルの高校になると推薦という制度がないこともあります。その際は学校説明会で内申点とテストでの合否ラインなどが詳細に提示されることが多いです。

親の負担は増している

我々親世代は中学校で確約などの高校側とのすり合わせをしてくれていましたが、今は原則的に親が子どもに付き添って面談が行われています。ですから共働きで説明会の日に仕事があったり、弟妹がいる場合の世話があったりと親の予定を組むのにも一苦労という家庭も少なからずあります。早いうちに学校説明会の日程を把握して、対策を講じる必要があります。もちろん出席はお母さまでなければいけないことはありません。私は以前担当している生徒の保護者の代理で面談を行った経験があります。(事前に高校に相談しました)

不登校生の北辰テストの受け方

現在、北辰テストは中学校で受けるものではなくなり、休日の高校などを北辰図書が借り上げて、そこで受験することになっています。基本的には同じ中学校は同じ会場での受験になるのですが、不登校の子どもにとっては知り合いに会いたくないと考える子も多いと思います。その際は申し込み時にその旨を北辰図書に願い出ると会場を融通してくれることがありますので、受験することを諦めたりせずにぜひ問い合わせしてみてください。

北辰テスト ホームページ

https://www.hokushin-t.jp

不登校の子どもの高校受験

全ての埼玉県立高校ではいわゆる不登校枠があります。出席日数が足りず内申点がもらえない生徒などに対して、一般入試を受け、高等教育を受けるチャンスを与えることが主旨となっています。ただ「中学校長が特別選抜入試を受ける資格があると認めること」が要件になっていますので、該当するかどうかは中学校の先生への早めの問い合わせが必要です。また内申書がない分「自己申告書」という書類を提出する必要があります。それには「特別な選抜を希望する理由」「学校、学科等志望する理由と学校生活への抱負など」「(保護者記入)高等学校に理解してほしいこと」をフォーマットに記入(自署)します。「自己申告書」の記入については、過去に記入を指導したことのある経験者に指導を依頼するとよいでしょう。

埼玉県高校教育指導課 不登校特別選抜について(pdf)

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/180350/r6hutoukoutokubetusennbatusetumeisiryou.pdf

まとめ

  • 県立の不登校特別選抜には「中学校長の認定「自己申告書」が必要
  • 私立校は数回学校説明会、個別面談で直接交渉が必要
  • 北辰テストは会場の配慮を申し出ることができる

以上が埼玉県の高校受験のしくみになります。不足や変更点などがありましたらその都度加筆修正していきます。

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