書字表出障害(ディスグラフィア)について

ディスグラフィアとは?

ディスグラフィアは、文字を書くことに困難が生じる学習障害です。他のことは周囲と同じようにできるのに、なぜか書くのだけは苦手。具体的な症状や原因、対策、治療法について解説します。

ディスグラフィアの症状

ディスグラフィアの中でも以下のような症状が見られます:

  • 文字の大きさに均一性がなく、ノートの罫線やマス目に沿って書けない
  • 鏡文字になってしまう(ただし、鏡文字は幼少期では誰にでも起こりうるものなので、必ずしもディスグラフィアとは言えません)
  • 年齢に応じた漢字を書くことができない
  • 文字を書く際に余分に線や点を書いてしまう
  • 誤った助詞を使用してしまう
  • 句読点などを忘れる

ディスグラフィアの原因

ディスグラフィアの原因は複数あります:

  1. 視覚情報の処理不全: 文字の形の認識が難しい場合
  2. 音韻処理の不全: 文字の読み方がわからない場合
  3. 発達性協調運動障害の関与: 不器用でうまく文字が書けない場合

ディスグラフィアに対する訓練と対策

  • 文字のバランスが悪い: 練習を重ねて均一な文字を書けるようにする
  • 文字や数字が書けない: 基本的な書き方を繰り返し練習する
  • 似た文字を書き間違えてしまう: 違いを理解しやすい練習を行う
  • 鉛筆で上手く字を書けない: 筆圧や持ち方を改善する
  • 視覚過敏がある: 環境を整えて集中できるようにする
  • 鏡文字を書くことがある: 鏡文字を避ける練習をする
  • 黒板の文字をノートに書き写すことが難しい: 集中力を高めて練習する

ディスグラフィア克服へのサポート

  1. 作業療法士(OT):
    • 作業療法士は、手指の運動や筆記能力を改善するためのトレーニングを提供します。
    • 書字練習の準備運動やストレッチ、ペン操作のトレーニングなどを行います。
    • OTは、個々のニーズに合わせてプログラムをカスタマイズし、適切なサポートを提供します。
  2. ビジョントレーニング専門家:
    • ビジョントレーニングは、目の視覚情報処理能力を向上させるためのトレーニングです。
    • 視覚的なトレーニングや音韻処理のトレーニング、協調運動のトレーニングを取り入れます。
  3. 学習支援施設:
    • 書字障害に特化した学習支援施設もあります。
    • 目の運動や視知覚機能のトレーニングを行い、文字を正確に認識できるようにサポートします。
  4. 家庭でのサポート:
    • 家庭でもできるトレーニング方法を学び、日常的にサポートすることが大切です。
    • 視覚的なトレーニングや音韻処理のトレーニング、協調運動のトレーニングを取り入れてください

書字障害は個々の症状によって異なるため、専門家と連携しながら最適なサポート策を見つけましょう。

ディスグラフィアを含む学習障害の支援について

ディスグラフィア(書字障害)に特化した学習支援施設は、文字を書くことに困難を抱えている子どもたちに対して、適切なサポートを提供する専門機関です。以下に、具体的な学習支援施設の例をいくつか紹介します。

  1. リタリコジュニア:
    • リタリコジュニアは、学習障害に特化した支援を提供する機関です。
    • ディスグラフィアを含む学習障害の子どもたちに対して、個別最適なトレーニングプログラムを提供しています。
    • 専門家の指導のもとで、文字の形やバランスを改善するトレーニングを行います。
  2. 成年学習障害支援機構:
    • 成年学習障害支援機構は、学習障害に関する情報提供や支援を行っている機関です。
    • ディスグラフィアを含む学習障害のある子どもたちに対して、専門家の監修のもとで支援を行っています。
  3. こそだてハック」というWebメディアに小児科の医師の記事がありました。

これらはディスグラフィアのある子どもたちに対して、適切なサポートを提供しています。具体的な施設の詳細や利用の流れについては、各施設の公式ウェブサイトをご参照いただくことをおすすめします。

苦手克服とともに長所を伸ばす意識も大切

子どもの苦手なことは何とかして克服させなければ、と考える親は多いと思います。子どもが社会に出た時に困らないようにとか、受験で足を引っ張らないようにとか、不安になるのは自然なことです。しかし苦手なことを子どもにさせ続けると、子どもはとてもしんどくなって苦手意識を助長してしまったり、自信を失くしてしまったりすることも多いことも事実です。例えば漢字がうまく書けなくても、デジタルデバイスで変換候補の中から正しく選択できればいい。それ以上は求めずに得意分野を伸ばすべく時間配分を工夫するなど、子どもの自己肯定感を保ちつつ個人としての才能を伸ばす方向に転換することも素晴らしいと思います。子どもがしんどいと親も必ずしんどくなりますから。客観的な意見を知るために、有識者にアドバイスを求めることも選択肢として有効だと考えます。公的な窓口は自治体の福祉関係部門のことが多いですから、まずは相談してみることをおすすめいたします。

LDの情報を発信する「カラフルバード」さんのHPの紹介

先日Xにてポストがおすすめに挙がってきて拝見したら、ディスグラフィアの子どものためのアプリや支援グッズがまとめられていてとても参考になりました。リンクを貼っておきますので、ぜひご利用ください。無料で利用できるものもあります!

「カラフルバード」さんのHP

https://sld-colorfulbird.com/archives/8332

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